研究内容

トランスポゾン(転移因子)は動植物のゲノムの大部分を占めています。トランスポゾンの発現はゲノム進化の重要な原動力となる一方で、遺伝子機能の撹乱や疾病等の原因にもなる「諸刃の剣」です。こうしたトランスポゾンの発現を、多くの生物は厳密に制御しています。私たちの研究室では、宿主とトランスポゾンの攻防をエピジェネティクスの視点から解明するとともに、そこから得られる知見を活かして、新たなゲノム・エピゲノム編集技術へ開発することを目指しています。
■ エピゲノムを介したトランスポゾンの発現調節
私たちは、生物が遺伝子と区別してトランスポゾンを制御するエピゲノム機構に着目しています。特に、クロマチン修飾、ヒストンバリアント、およびクロマチンリモデリング因子などがどのように協調してトランスポゾンを抑制するのか、そしてその機構が環境によってどのように制御されうるのかを、ゲノム生物学的な手法によって解明しようとしています。
■ トランスポゾン由来因子によるクロマチン構造変換
最近の研究から、トランスポゾンにコードされる因子が宿主の抑制機構を回避するために進化してきたことや、トランスポゾンの転移先にエピゲノムが密接に関与することが明らかになってきました。当研究室では、これらの因子の分子機能を理解するために、試験管内再構成系や分子遺伝学によるアプローチによって明らかにしていきます。
■ ゲノム・エピゲノム編集技術への応用
トランスポゾンと宿主との間で繰り広げられるエピゲノムを利用した攻防は、新しい編集技術の基盤となる可能性を秘めています。私たちは、これらの分子特性を活かして、柔軟で特異性の高いエピゲノム制御ツールの開発を目指しています。